2015年1月30日金曜日

日本語勉強とSNSの話し

 きっかけはask.fmでいただいた質問だった。
twitterやFacebookなどのSNSははちこさんのこれまでの日本語学習に役にたったと思いますか。もしそうであるならどのような点で?そうでないならどうして?
日本語学習者なら、誰でも自分なりの勉強法があると思う。私の場合、TwitterをはじめていくつのSNSは本当に役に立ったので、経験とはいえないけど、「心得」として皆さんと共有したいと思う。ツイッターのフォロワーさんのなか、日本語を勉強したり、教えたりする方は結構いらっしゃると思うので、SNSの使い方や使い分けを出来るだけ詳しく書いて、誰かの参考になれたら嬉しいと思う。
 そのままask.fmで書いてもいいけれども、文字数が多かった(多すぎたorz)し、引用やリンクなどask.fmは表示できないため、ブログで書くことになった。質問してくださった方、本当に申し訳ないm(_ _)m 
 では本題に参りましょうー

 まず結論から言うと、役に立つ順位:twitter=blog=google > 各種の動画サイト > facebookやその他のSNS

 私は大学に入ってから日本語を勉強しはめた。
 最初の一年半くらいは本当にしゃべれなかった状態なので、特にSNSを使ってなかった。アニメを見るために、オンラインの動画サイトやダウンロードサイトはよく使ってた。あと、ヒアリングを練習するために、ドラマCDがダウンロードできるオンラインストレージサービスは高頻度で使ってた(はい、違法ダウンロードだと承知しておりますorz)。

 二年生の前半、N2が合格できてある程度日本語が理解できるようになったら、字幕なしのアニメを積極的に見て、日本語のマンガも読み始めた。この頃、偶然にAcfunでマクドナルド鬼畜動画のシリーズを発見、これでニコ動本家にたどり着いた。日本語の弾幕を見るのは楽しみとなった。

 三年生になって、ある程度書ける/しゃべれるようになったら、自分の主張を日本語で表現したくなった。人によって違うと思うけど、表現欲は一つのモチベーションになると思う。岡田斗司夫さんは岡田ゼミで言ってたことはすごく共感して、ここで引用する。
 言いたいことさえあれば人間っていろんな表現を駆使してボディランゲージを含めて言いようとするから、それは(外国語が)一番うまくなるコツなんだ。
私は昔から物事に対して結構考え込んだり、主張の強い人だ。日本語ができたら一つの表現の仕方が増えるので、どんどん日本語を使いたくなった。最初は本当にアナログで、作文の授業でいろいろ書いて、その後日本語の先生とディスカッションするのは楽しみだった。でもやはりだんだん満足できなくなって、もっといろんなテーマについて自由に自分の意見を書きたかったので、ブログを始めようとした。
 まずやってたのはAmebaブログだった→八子のブログ(旧館) 
 最初は本当に日常のことばかり書いたけど、後々読んだ本の感想、オタクネタ、中国の時事とかいろいろだった。当時、私は考えたことをすぐに日本語で表現できる能力がなかったので、ブログって言っても会話のネタ集みたいなもんだ。どういうタイミングで自分が話したいテーマを出して、どういう風に自分の意見を分かりやすく説明して、話し相手はどういう質問がくるだろうと考えながら記事を書いた。話しのもとは思考なので、たとえ使える単語が少なくても論理的に自分が言いたいことをあらかじめ整理しておけば、スムーズなコミュニケーションができる、日本語はまだ初級、中級の場合、下準備をしておいたほうがいいと思う。
 もちろん、毎日書くことがあるわけではなくて、ネタがなかったときは下記のブログの常連だった。
 ansan’s楽しい中国新聞(中国ニュース)
 ansan’s楽しい中国新聞(別館)
 ここで勉強したのは日本語だけではなく、(ネット上)日本人の考え方、日本人から見た中国、歴史観の違いなどなど。このブログの他のユーザーと喧嘩(?)するために、夜更かしして日中戦争の資料を調べた記憶があった…
 日本語を勉強しているかぎり、日本人と考え方の違いで衝突することは絶対あると思う。少しでも相手の考え方が分かればこのような摩擦は避けると思う。匿名は現実より日本人の本音が分かるので、ネット上建前のない言葉による攻撃が耐えられるならor理解できるなら、現実でも同じ話題がうまくそらすことができると思う(日本語の『文法』など直接関係はないけど、広い意味での日本語勉強だと思うねー)。
 こちらのブログ2010年10月から更新停止となって、その後自分もTwitterに夢中したので、定期的に中国関係のブログをチェックする習慣がなくなったけど、おかげさまで本当にいろいろ勉強できた。結構やりとりをしてた何人かは連絡先がまったく知らなくて、この場を借りて管理人も含め、感謝の意を伝えたいと思う。
 いろいろ勉強できまして、本当にありがとうございました。一緒に過ごせた時間、楽しかったです。
 
 ブログの場合、多分一年ぐらい続けば、自分のスタイル(書けるジャンルと書けないジャンル、興味のあるテーマなど)は分かってくる。八子のブログ旧館を少しご覧になったら分かると思うけど、私書いたのは、大雑把に分けると、以下五つに分けられる。そしてそれぞれツイッターや現在のブログの内容となった。
  日常のこと         →ツイッター
  映画、読書の感想      →ツイッター
  中国事情(速報)      →ツイッター
  中国事情(解説っぽいもの) →ブログ
  オタク事情(解説)     →ブログ
ここでツイッターとブログの違いが分かってくると思うけど、まずツイッターの話を言ってからにしよう。
 ツイッターはブログとほぼ同時期ではじまった。きっかけは蒼井そらさんが中国のネット上で話題になったこと。男性友達にツイートを訳してくれる?って頼まれて、自分もツイッターで好きな漫画家や声優さんの近況知りたくて、ノリノリでツイッターをはじまった。
 ブログでの文書ある程度まともな日本語だが、ツイッターでの省略語や流行語が多いため、最初はツイートを読み取るだけで精一杯だった。いろいろ調べて最初覚えたのは「リア充」だった。これで日本人先生の前に披露したら、その先生が他の先生に「この子、リア充って言葉知ってるよ」って嬉しそうに紹介して、私がネット上で丸覚える単語の意味を言ったら大ウケだった。ここではじめてツイッターの付加価値を身をもって感じて、ツイッターをやるモチベーションがさらに上がった。(ちなみにこれも私がネットスラングに興味を持つきっかけだった)
 有名人だけ見ると、やはり宣伝や告知のツイートが多くて、普通の日本人のツイッタラーはどういうふうに友達とコミュニケーションするのかを知りたくて、日本人クラスター潜入計画を実施した。フォローされたらフォロー返す(倍フォローだ!)、推薦ユーザーはとにかくフォローする。彼らの挨拶ツイートに入り込む。「おはようございます!今日もよろしくお願いします!」からスタート。これでフォロワーを増やしつつ、自分の関心事についてもつぶやく。普段自分が使う日本語と本物の日本人が使う日本語の違いを気をつけながらマネする。
 あと一つ重要だと思うのは、とにかくつぶやく、毎日30回以上つぶやく、何が思いついたらすぐつぶやく(受験生はお控えめに…)。ポイントは様々な場面で日本語を使うことだ。日本語学習者にとって、一日24時間全部日本語でコミュニケーションするのはもちろん理想だが、現実では無理な話だと思う。この場合、どうやって日本語を使う頻度をあげるかというと、やはり日本語でつぶやくことだと考えられる。スカイプ、ラインなどずっと自分の相手をしてくれる人がいれば(リア充爆発しろ)、ラインなどを使ってもいいと思うけど、自分みたい友達が少ない人はやはりツイッターをやったほうがいい。永遠に日本語で独り言ができるのはツイッターだけなのだ。今の出来事、今の気持ち、今の考え事、全部日本語で表現するのはとても難しいと思う。どのような表現が一番適切なのか、グーグルしてください。グーグルはいつでも、どこでもネイティブチェックしてくれるのだ。日本語で調べてつぶやく、そして日本語でリプライをする。一年以上続けば、日本語の流暢さは絶対違うと思う。
 もう一個おすすめしたいのは、ツイッターとブログを並行してご利用ください。なぜかというと、ツイッターで話し言葉を覚えて、ブログで書き言葉(この記事は結構話し言葉だが、ツッコミはお手柔らかに…)を練習する。さらに日本語の考え方、文章の構成もトレーニングできる。文書が長いので単調な表現だけでつまらない、類語、使い分けなどなど、調べているうちに身につけられる。なによりも自分が書きたいこと思う存分書けるのは魅力的だったね。

 ブログ代わりにFacebookをする方は結構いると思うが、私はFacebookがちょっと嫌い。現実で仕方がなく付き合う人もいるので、趣味でつながるツイッターのほうがずっと自由で、楽だった。Facebookはたくさんの機能を統合したことに対して、ブログは長文だけを読むところだった。友達の出来事だけ見たいというユーザーが多いため、長文や趣味などの話を書き込んでも誰も見てくれないだろう。以前小説を読んでFacebookで感想を書いてみたら、とある先生に「こんな本を読むより夏目漱石を読んでください」って言われてつらかった。現実の身分がどうしてもFacebookで反映されるので、どうも平等で話す場ではないと思う。Facebookでの「空気」は一番重いので、今ほぼ放置状態だった。
 Facebookは現実のつながりに基づいたものなので、よっぽどの社交性がないかぎり、多分充実しにくいと思うね。ただしブログやツイッターはほとんど趣味・共通の話題に基づいたので、ネットから現実へのプロセスはアリなのだ。現実のつながりと比べて若干もろいと感じられちゃうかも、本人次第だね。だから、Facebookは私の日本語勉強にあまり役に立たなかった。

 (書き終わったら見てみると、本題から離れたところちょこちょこある…こんな答えはいいかと思うが、一応これで…もし不満/不明な点があればask.fmで質問するか、もしくはツイッター/ブログでご連絡ください、また書き直すorz)

2015年1月6日火曜日

小さな出来事

 友達Lさんと仲良くなったのはある小さな出来事のおかげであった。ただ、その前にすでにLさんに薄い印象があった。

 大学院に入ってから間もなく中間発表があって、私たち新入生は手伝いに来いと呼ばれた。そこでLさんがいた。一緒に机を運んで、目線はどこに置けばいいかちょっと分からなかった自分が、ついLさんの格好を観察しちゃった。そこで、彼女のカバンのファスナーに綾波レイのキャラストラップがついたのを目撃した。あぁ...ダメだこいつ自分の趣味を隠さないどうしようもないオタクだって誰も気づかない小さなため息をして、思わず彼女の顔を見てしまった。そして目があった。わあ目があった!ってちょっと気まずいと思ったけど、お前の正体もう分かったぞ!って意味深に笑って、そして彼女もニコッと笑った。
 その後、過疎ゼミに所属している私がLさんの教授に呼ばれて、しばらくLさん研究室のゼミに参加するようになった。普段話す機会が増えたが、まだ「知り合い以上、友達未満」の関係で、まあ私は別に気にしていなかった。ある日、雑談していたとき、休日どうしようかの話が出た、そして名古屋にきたまだそんなに長くなかった私が、「あ、大須に行ってみたいな、まだ行ったことないよ」と言ってしまい、彼女が「いいね、私も最近あまり大須に行かなかった、案内するよ。今度の○曜日一緒に行こう!」と楽しそうに提案した。別に断る理由がないので「いいよ」と私は快諾した。

 そしてあの日。まんだらけで同人誌を一緒に掘り出して、好きなカップリングについて話し合って、大須の唐揚げを食べて普通に楽しかった。そろそろ帰るところ、ゲーセンの前に通り過ぎたとき、Lさんは「ちょっと待って」って言って、何だと思ったらクレーンゲームだった、そこに綾波レイのおもちゃいっぱい詰まって、彼女はホイホイでコインを入れた。そんなお金の無駄だってつっこみながら彼女プレイの姿を見て、三回ぐらいやって何を得られずに、彼女はようやく諦めた。自分はゲームに苦手であまりゲーセンで遊んだことないけど、せっかくゲーセンに来たので、二人で回ってみた。
 放課後の時間が過ぎたので、ゲーセンで制服姿のカップルや男子高校生の集団がちょいちょい見られた。ゲームに夢中する人はもちろん、彼らの多くはとあるマシーンに集まって、よく見たらプリクラだった。
 プリクラ、リア充ともの最強兵器、スーパーやゲーセンなどいろんなところに潜んでいるが、私は一度もそのマシーンを近づくことができない。美女たちがプリントされたカーテンカバーのインパクトが強すぎて、どうもカーテンを開ける勇気が持たない。たとえ入ってもどんなポーズをすればいいか分からない。可愛い系は私的に抵抗感がある、おかしい系は相当親しい友達じゃないとダメなんだ。そのため、ちょうどいいタイミングでちょうどいい友人と一緒に撮らないと意味ないんだ。
 私は今日の格好をチェックしてみた。化粧をした、まあまあ可愛い服を着てる、そして一人できたわけでもない。もしかして、これはプリクアデビューのチャンス?もしかして、これはリア充になる第一歩?
 「ねえ、プリクラ、やってみないか。」私は唾をごくりと飲み込むと言った。
 Lさんもびっくりしたようで、「む、無理よ!そんなリア充っぽいこと、私たち無理よ。」
 「し、心配するな、今日私たち別にオタクっぽい格好できたわけではないんだ。落ち着いて入れば、普通の人に見えるはず。」私は彼女を説得しようとして、自分にも勇気をつけた。
 私の話を聞いて、Lさんはちょっと動揺した。
 「大丈夫だよ、端っこのマシーンを使えば、誰も気づかない、中に入ったらダサいポーズをしても誰にもバレないし。」さらに推して、Lさんは頷いた、「じゃ行こう!一回400円高くないし。」
 
 心の準備を整えて、いざカーテンをあけ、中に入るんだ。とても小さな空間で、私とLさんはまた焦り始めた。
 「ど、どこからスタート?」
 「お、落ち着け、まずコインを入れるんだ!」
 「そ、そうだね。」
 100円を四枚入れて、真っ黒なスクリーンが急に光って、案内の画面になった。私とLさんが精一杯で説明文を読んで、「くそ、カタカナいっぱい読み切れないよ...」って文句を言いようとしたとたん、画面がカウントダウンになっちゃって、「3、2、1...スタート!」の音声が流れた。
 「や、やばい、まだ読み終わってないのに!」
 「ポーズも全然考えてないし!」
 完 全 に パ ニ ッ ク 。
 幸い、カメラの下に参考ポーズがあった。それは私とLさん最後の頼みの綱となり、無理矢理かわいい笑顔を作り、今時女の子のポーズを取って、かろうじて6枚を撮った。
 すでに精神的に疲れた私とLさんがマシーンの次の指示を待った。そして画面に「落書きスペースに移動してください」というメッセージが出てきた。
 え、うそ?プリントは同じ場所じゃないの?え?落書きスペースってどこ?
 再 び パ ニ ッ ク 。
 とにかく出るんだ、私とLさんはマシーンから出たけど、周りを観察してみたけど、マークや指示とか全然なく、きっと近くのマシーンだよねって私たちは思って、誰も入ってないブースに入って、そしてやっと落書きのメニューを見た。
 さっきまでの不快を全部忘れた。私とLさんはこの瞬間を楽しんでた、女子力高めの絵文字や図を入れて、初のデコレーションに挑戦した。やがてデコが全部終わって、私は満面の笑顔でLさんに「楽しみだな」と言って、プレビューを見たとたん、私もLさんも驚き呆れて、体が冷水を浴びたようにすくんだ。
 
 そこで映ってるのは私とLさんではなく、完全に別人だった。男子高校生二人組だった。とんでもない気まずさに襲われた私とLさんが、目線を合わせ、お互いの目から「三十六計逃げるに如かず」というメッセージを読み取った。
 私たちは今まで一番の冷静さを装って、まるで何百枚のプリクラを撮った達人みたいに話しながらそこで身を引いた。そして隣の誰もいなかったブースに入った。
 「捨てる神あれば拾う神あり」と言えばいいか、そこでタッチパネルで映ったのは私とLさんさっき撮った写真だった。時間が過ぎたから写真の背景のデコができずに、文字だけ入れた。私とLさんは無言でやってささっと写真をプリントアウトをして、まるで誰かに追われたようにゲーセンから一秒でも早く逃げ出した。
 走って走って駅近くてやっと安全だろうなと思って、私とLさんはそこで止まった。プリントアウトした写真をカバンから取り出して、見てみた。デコがなかったので若干しょぼく見えるが、デカ目と模範例を参考したポーズはちゃんと今時の女の子の感じだった。
 ほっとした私とLさんは再び目が合って、腹を抱えて笑った。笑いすぎて全然止まらなかった。その時から、私とLさんの間、はじめて「同士」っていう感情が生み出した。
 
 Lさんは私の性格と真逆で、時々Lさんのことめんどくさいやつだなと思うけど、彼女が私の持っていないモノを持ってるのは確実だ。知り合って最初の頃より、今は彼女のいろんな事情を知って、本当に彼女が幸せになってほしいと思っている。Lさんは卒業後、またヨーロッパとかで留学する予定なんで、今後会う機会は少なくなるかもしれないけど、会ったらまた馬鹿なことをしたいなとこの記事を打ちながら思った。
 日本に来て三年を越えた、こっちで仲良かった友達は帰国したり、またどっかに行ったりするので、せめて日本にいる間、彼らとのエピソードを書きたいなと思って、この記事を書いちゃった。多分シリーズものになっちゃうかも、タグは「はちこと愉快な仲間たち」に決定(笑)。