この全56ページのレポートは、2012年〜2016年までユーザーが入力したトップ5000の単語をピックアップし、中国ネット民の関心事を分類して傾向を分析した。データ量の多さと情報の深さで、中国のネット社会を理解するには絶好の参考資料であると思う。
内容を全部紹介するには無理なので、私が特に興味深いと思う部分を翻訳して紹介する、ところどころ私の解説も入れたりする(ページ数のない段落)。レポートのリンクは本文の最後に公開するので、興味のある方は是非読んで見てください。
1、入力から見る中国人ネット民の行動パターン
・平均的に入力した文字数は50〜55で、情報の閲覧が中心。手で入力するよりも音声メッセージにシストする傾向が見られる。(P5)
・一番活躍している時間帯は夜の21時〜23時、仕事が終わって比較的にリラックスできる時間帯である。(P5)
・入力からユーザーのアクティブ率を分析すると、中国のネット民は一番SNSを利用する。その次は動画サイトやアプリ、ネットショッピングである。ネット民は政治が好きでよく新聞サイトで投稿するとよく言われるが、実際新聞サイトの利用率はかなり下位である。(P6)
ネット民がよく利用サイト(アプリも含む)
水色:SNS 灰色:動画サイト オレンジ色:ネットショップ
黄色:個人ファイナンス 青色:ゲーム 緑色:新聞
2、入力から見る男女、地域、世帯の差異
・女性1日平均的に絵文字を使う回数は2.84回に対し、男性は0.74回である。
・男性絵文字使用ランキング:😂😒😳😏😬😘😁😭☺️😱😔🌹😍👏😄😙😞😉
女性絵文字使用ランキング:😂😒😳😭😁😘☺️😏😄😱😊😞😓☺️😍👏😙😡
人気絵文字の利用には、男女の差はあまりないのは結論である。
・男女の差異が見られるのはマイナー絵文字の使用。男性は政治やエロスに興味があり、女性は感情表現が多いのは特徴である。
男性がよく使うマイナー絵文字:🇨🇳🚉👎🀄️🌷🔞🏀
女性がよく使うマイナー絵文字:📢🙆💁🐾🎀💃💗🎉❤️💋(P7)
・南の地域出身のユーザーがよく利用する絵文字:😂😓💃🙄
北の地域出身のユーザーがよく利用する絵文字:😂😓😍👍
・結論:ネット民全体的にポジティブ的だが、世の中の理不尽さで泣き笑うことも多い。南の地域出身のユーザーのストレートな感情表現に対し、北の地域出身のユーザーは人を立ている。一般的に思われる「南の人が控え目で、北の人がド直球」と全く逆の結論になっている。(p8)
・若いほど絵文字をよく利用する。00年後生まれのユーザーは1日2.3個絵文字を使っている、70年代生まれや80年代生まれのおよそ3倍である。(P9)
3、ネット民がよく使う「新語」
2013〜2015年よく入力される新語ランキング
・言葉意味の解説
2013年ランキング
女漢子:男性のように振る舞う女性。ポジティブな意味として使われる時、自立した女性を指す。ネガティブな意味として使われる時、デリカシーのない女性を指す。
紅米:中国メーカー「小米(xiaomi)」のスマートフォン製品。
点賛:「いいね」を押す(Facebookではなく、wechatのモーメンツの投稿を「いいね」することである)
土豪金:13年発売されたゴールドiPhone5sのことである。黄色(金)は中国で金持ちのイメージがある、さらに機能はiPhone5とほぼ同じで限定色のためだけにiPhone5sを買い換えることは金持ち(土豪→成金や普通の金持ち)でしかできない、という二つの意味合いでこの言葉が誕生した。
爸比:パパのこと、13年でヒットしたバラエティ番組「パパどこ行くの」で出演した子供が言った言葉、あまりにも可愛かったので、流行語になった。
脳残粉:厨房、狂熱のファンのこと。好きすぎて冷静な判断ができないファンを揶揄する言葉。
人艰不拆:略語、フルバージョンは「人生已经如此的艰难,有些事情就不要拆穿」(人生はもうそんなに辛いのに、そこまで言わなくても分かるでしょう)である。元ネタは人気歌手林宥嘉のヒット曲「说谎」(嘘をつく)の歌詞。
高端大气上档次:ハイクラス、ハイセンス、ハイレベル。元ネタは中国大人気ドラマ「武林外传」のセリフである。
美腻:「美丽」のこと、きれい。特に元ネタがなく、ギャル言葉的な感じ。
余額宝:中国の電子商取引大手アリババグループが始めた投資商品である。
TBC
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