2013年2月18日月曜日

ニコ動解禁事件の始終

 先日、中国のネット上ちょっとした事件があった。それはずっと中国に禁止されたニコニコ動画は見えるようになった。
 ニコ動が禁止させたのは2010年だった、理由はノーベル平和賞の授賞式を生中継したから。ちなみに今回接続できたのは本家ではなく、アメリカ版だった。
 ニコ動解禁この事件は別にいいが、すごく面白いと思うのは、中国のオタクの反応だった。ずっと禁止されて、オタク向けのサイトはやっと解禁、嬉しいと思う人が多いだろう、私はそう思ったが、実際そうじゃなかったみたい。
 まず、嬉しい人と比べて、心配する人が多い、心配することはマナーだ。YouTubeのような国際的なサイトと違って、ニコ動は日本人向けのサイトで、使う言語ももちろん日本語である。しかもニコ動独特なシステムによって、コメントが動画と同時に流れている。もしいきなりほかの言語の書き込みが入ったら、間違えなく視聴の障害である。ニコ動はまだ禁じされてなかった時、中国のオタクの中でこのような不文律があった――「ニコ動でできるだけ発言しないこと。したくても日本語で」、当たり前ようなことだったが、以前中国語を書き込む人は結構いた、不文律というより、教訓であった。
 ニコ動解禁まもなく、彼らの心配は現実になった。したの図は筆者のツイートであった。
図の示したように、中国語の書き込みがいっぱいあった。さらに酷いのは、国歌を投稿て、「釣魚島(尖閣諸島)は中国のものだ」とコメントした人もいる。
   図1

 このようなことを見て、中国の一部のオタクは「実は禁止されたほうがいいかも」「これは恥だ」、「GFWを誤解したんだ」とコメントした。
図2

 しかし、その一方、前にもニコ動のパックリと呼ばれるビリビリ動画はまた大きな話題になった。完成度が高いため、日本側の記事に紹介された。その結果、日本のオタクがビリビリ動画にどっとなだれ込んだ。アニメは高画質で見れるし、しかも無料で、「本家以上いい」のコメントがあい続く。
図3

 解禁からもう一週間、果たして今回の事件はどの風に解読したらいいだろう。筆者は事件から中国人のオタクの心理が見えると思う。
 
Ⅰ ニコ動かビリ動か
 中国のインターネットは前から検閲制度があるためよく批判される。GFWは1999年から設計されて、今若者のネットユーザーはGFWに非常に馴染んでいると言っても過言ではない。グーグルの一部のサービスやツイッターなどが利用できないため、中国のネットユーザーは代替品を次々作り出した。グーグル使えないなら百度、ツイッター使えないならウェイボー、フェイスブック使えないなら人人網、同じようにニコニコ動画が見えないならビリビリ動画やACFUNを使っていい。
 実はビリビリ動画では、ニコ動からの動画はかなり多い、ニコ動の話題動画はほとんどビリビリ動画で見つけられる。その一方、ニコ動は会員の制度があり、混雑の時画質がよくないうえ、著作権のため、中国のIPはアニメ見られないはずである。画質がいいしかも【無料】のビリビリ動画と比べて、もちろんビリビリ動画のほうがよいと思われる。恐らく、多くの中国人オタクは一時的にニコ動をはまって、その後またビリビリ動画に戻るだろう。

Ⅱ GFWが必要かどうか
 前にも言ったように、中国のネット上既に代替品が存在するため、GFWはあるかないかどうでもいいと思う人は多いだろう。今回のように、むしろGFWがあったほうがいいと思う人もいる。言論の自由を求めるということは一般のネットユーザーにとって、多分無理かもしれない。以前論文にも書いたように:
 検閲を避けるために、多くのユーザーはまず自己検閲をする。自己検閲というのは、投稿する前に、敏感な内容があるかどうかを確認するものである。ロックキーワードがあったら、キャンセルしたり、キーワードを同音の漢字と変えたりする。GFWによる制限に慣れていることもあり、文句があっても、言論自由を求めるレベルではない。これについて、福島香織(2011年)は「覚悟した自由を求める言論とは違い、給湯室で上司の陰口を叩く女子社員のレベルだ(渡辺浩平2011、p186)」と述べた。反抗や状況を変えるつもりもないであろう。
 しかしながら、革命の父孫文氏が言ったように、民主自由は世界発展の波で、逆方向に進めば国は滅びる。いつか、中国のインターネットは必ず世界中のインターネットと合流するはず。その時、中国のネットサービスやネットユーザーはどういうふうに対応するか。筆者は興味を持つというより、少し心配している。『ショーシャンクの空に』の言ったように「These walls are kind of funny like that. First you hate them, then you get used to them. Enough time passed, get so you depend on them.  That's institutionalizing.」もしこのような始末になったら、本当に残念だと思う。  

Ⅲ オタクに関する
 「オタク」この言葉が誕生したから、「自虐」のイメージがついてる。今回の事件でもそうだった。解禁されたのはアメリカバージョンで、もしnicovideo.comに接続したら、自動的にnicoviedo.jpに転送されるため、日本人が見られる可能性が非常に低いと思う。それにも関わらず、「すみません」「迷惑をかけて申し訳ない」のコメントが非常に多く、筆者は自虐すぎないと思ってしまった。なぜこのような発言があるというか、やはり図1のように、一部の不適切なコメントがあり、「私は彼らと違う」と表明したがるだろう。

 最近中日の間、政治をめぐる紛争が多く、政治の面から見ると結構緊張な局面であるものの、中国からの旅行団が日本に訪れるというニュースはよく耳にした。中日のオタク交流はニュースになれないが、結構進んでると思う(今日もウェイボーでエヴァンゲリオンの公式アカウントが開設されたニュースを見た)。今回の事件をきっかけとして、両国のオタクの交流を一層深めるといいな。


引用ソース:
図1:http://weibo.com/2641750481/zicLwgrYH
図2:http://weibo.com/2871130844/zid7sFp58
図3:http://getnews.jp/archives/288656

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